常設展示/2階

2階フロアマップ

ギャラリー

2階案内【岩石地質編】

はじめに

 当館の2階は、「地球の構成と歴史」についての展示です。
  展示室に入ると「太陽系の中の地球」→「岩石」→「地球表層の諸現象」→「秋田の生い立ち」→「地球生命史」の5つの展示コーナーがあります。私たちの地球はどんな物質からできているのか,どのような現象が起きているのか,生命はいつごろから存在してどのように進化していったのか,地球と生命に関する様々な疑問を標本とパネルを見ながら読み解いてみましょう。

太陽系の中の地球

 ここには,隕石や天体望遠鏡,それに「地球ダイナミクス」のCGが操作できる展示があります。隕石の展示ケースには,パラサイト,ウィドマンシュテッテン構造が見える鉄隕石,重さ1.5kgのサハラ産の石質隕石などのほか,国内最大の気仙隕石や秋田県角館で発見された白岩隕石の一部分などがあります。

 隕石の展示ケース

 展示室に設置されている望遠鏡は実際に天体観測に使われていたものです。展示室内には,太陽系の惑星たちの小さな写真も貼られています。望遠鏡を覗いて探してみましょう。

 天体望遠鏡を覗いてみよう

 地球ダイナミクスのモニターでは,地球の内部構造のスライド,プレート運動のアニメーションを表示しているほか,日本列島周辺のプレート境界と震源・火山・活断層などの分布を3D画像で見ることができます。3D画像をマウスで回転・拡大・切断することもできます。

 「地球ダイナミクス」

岩石

 岩石は,一つ以上の種類の鉱物粒子が集合してできている,地殻とマントルを構成する物質です。ここでは,火成岩・堆積岩・変成岩に3大別して展示しています。超高温(1650℃以上)の超塩基性マグマによって出来たコマチアイト,ダイヤモンドの母岩のキンバーライト,男鹿半島目潟火山噴出物に捕獲されて地表にもたらされたマントル・下部地殻岩,超高圧の変成作用でできるエクロジャイトなどの珍しいものを含みます。

バーバトン緑色岩帯のコマチアイト
目潟火山噴出物

 安定大陸の中心部では,40億年前後の年代値を持つ古い岩石が見つかっています。46億年前に地球が生まれてから数億年以内に,表層部では大陸地殻が成長を始めていました。一方で,日本列島のような現在の造山帯では,新しい岩石が次々と生成され続けています。ここでは,世界最古級の39.6億年の年代値を示すカナダ・アカスタ片麻岩,北上山地などの国内で産する最古級の岩石コレクション,逆に世界で最も新しい露出深成岩とされる滝谷花崗閃緑岩の標本が展示されています。

 岩石を研究するときには,偏光顕微鏡を使った観察が欠かせません。偏光顕微鏡の展示では,実際に岩石薄片を観察できます。また,ここに展示されている鉱専時代の偏光顕微鏡には,カルサイト結晶を二枚貼り合わせたニコルプリズムが使われています。岩石コーナーでは,そのほか,球状花崗岩,北欧産の岩石,南極の基盤岩類などのコレクション,また手で触れることができる大型標本の展示もあります。

 球状岩コレクション

地球表層の諸現象

 地層は,過去に地表で起こった地質現象の記録媒体です。地層をうまく読み解ければ,過去の出来事を時系列に復元できることもあります。はぎとり標本は,特殊な接着剤を使って露頭から地層をはぎ取ったものです。ここでは,タービダイト性堆積物(脇本層),活断層に切られる広域テフラ(潟西層),貝化石の密集層(鮪川層)を展示しています。

 地層はぎ取り標本

 火山の多い日本列島の中でも,秋田は最近活動した火山が集中している地域のひとつです。ここでは,秋田駒ケ岳,鳥海山をはじめ国内外の火山から採集された火山噴出物を展示しています。噴火の特徴やマグマの性質を物語る様々な性状を示しています。火山噴火と並んで,日本列島に暮らす私たちが向き合わなければならない自然の脅威は地震です。このコーナーでは,地震現象と地震災害についてもスライドやパネルで解説しているほか,機械式の地震計を展示しています。

火山弾を集めた展示ケース
気象庁型機械式強震計

 石琴や鳴石などのコーナーは,見たり触ったり叩いたりして少し変わった石の性質を楽しむための展示です。また,隕石の衝突,地殻変動,雷,砂嵐などのインパクトが刻まれた石を集めた展示ケースもあります。石の性質や成因を考えてみましょう。

 サヌカイトの石琴

 「CTスキャンで見る岩石・化石」は,肉眼で観察できない内部構造や小型標本をCTスキャンして,画像処理したものを観察します。「地球ダイナミクス」と同様に,マウス操作で3D画像をいろいろな方向から観察できます。

 CTスキャンで見る化石・岩石

2階案内【化石編】

はじめに

 2階展示室の半分では、秋田県で産出する新生代新第三紀以降(約2300万年前~)の化石と、内外から得られた地球生命史上重要な化石を多数展示しています。県下では初めて展示される,シーラカンスやバージェス動物などの貴重な化石もあります。是非ご覧下さい。

 鉱業博物館にある「生きた化石」メタセコイヤ Metasequoia

秋田の生いたちのコーナー

 秋田の生いたちのコーナー

 生物の遺骸が化石として保存されるためにはまず、砂・泥などの比較的細かい粒子とともに静かな環境で堆積することが必要です。
 秋田県には、新生代新第三紀以降にできたこのような細かい粒子からなる地層が広く、そして厚く分布しています。脊椎動物から、手にとることのできる生物、そして顕微鏡を用いないと観察できない小さな生物まで、さまざまな種類の化石が豊富に産出します。
 これら化石の種類の時間・空間分布は、秋田のみならず、日本列島や日本海の形成史を雄弁に語ってくれます。秋田県、特に新旧の地層が比較的連続して分布する男鹿半島は、新生代の日本列島の層序(地層の重なり)を組み立てる上での基準とみなされており、地質学的に非常に重要な地域です。

 秋田県仙北市産のヤマモモのなかまComptonia naumanni (新第三紀)

地球生命史のコーナー

 地球生命史のコーナー

 生物の多様性は,気の遠くなるような時間をかけた進化によってもたらされました.そして,生物の営みなしには,現在の地球環境はありませんでした.
 数え切れないくらい前の世代までさかのぼったとき,あなたや身近な動植物の祖先は,どんな姿をして,どんな場所に住み,どんな生き様をしていたのでしょうか.標本を見ながら想像してみましょう.
 展示室では、先カンブリア代の藍藻の繁茂によって作られた石灰岩から、現生サメの顎(あご)まで、時代の流れに沿ったさまざまな時代・分類群の標本を見ることができます。

 カナダのバージェス頁岩から得られたMarrella splendens (カンブリア紀)
 モロッコから得られたウミユリScyphocrinites elegans (デボン紀)

時や場所を語る化石のコーナー(シアター)

 時や場所を語る化石のコーナー

 顕微鏡を用いないとよく見えない化石を微化石(びかせき)とよびます。
 食物連鎖の底辺を支え、地球上の物質循環に於いて大きな役割を担う微細な生物は、死後、膨大な量の殻を地層の中に化石として残し、時間や環境など過去の歴史を雄弁に語ってくれます。

 亜寒帯太平洋から得られた現生パルマ藻Triparma laevis の電子顕微鏡画像 (R. W. Jordan博士提供)

 暗黒・高圧で、猛毒の熱水が噴出するような海底は一見、生命にとって過酷な環境に思われますが、必ずしも死の世界ではありません。太陽光に頼らない、それでいて生物生産量の高い独特の生態系が作られています。
 こうした「化学合成生態系」で代表的な貝類(シロウリガイやシンカイヒバリガイなど)やハオリムシ(チューブワーム)は、熱(湧)水中のメタン、硫化水素、酸素、二酸化炭素などを取り込んで体内に共生している細菌に送り届けています。その細菌がこれら物質から有機物を生産し、宿主に供給しているのです。また、化学合成生態系にいる甲殻類は共生細菌を持っていませんが、肝臓で硫化水素を無毒化することができます。
 現在では、生命の起源をこうした極限環境に求める考えが一般的です。まさに生命研究の最前線といえるでしょう。

 北海道中川町から得られたハオリムシ生管を含む石灰岩 (白亜紀)

 一方、熱帯域に分布する一部の生物は、炭酸カルシウムの殻に水温などその個体が育った環境のリズミカルな変動を時間に沿って記録しています。
 地球の気候システムには、熱帯域の大気や海洋の変動が強く影響する現象(エル・ニーニョなど)があります。化石生物殻から読み取る時間分解能の高い過去の環境の記録は、将来の気候変動を予測するのに役立つのです。
 太陽の砂と星の砂(写真)の正体は炭酸カルシムからなる底生有孔虫の殻。珊瑚礁生態系の一員です。体に共生している藻類が光合成で作った栄養をもらって生きています。

 現生のBaculogypsina (右)の電子顕微鏡画像

八木コレクションのコーナー

 八木コレクションの異常巻きアンモナイト群

 展示してある多数のアンモナイト化石標本は、本学の前身である秋田鉱山専門学校の探鉱科を1948(昭和23)年卒業され、北海道探鉱汽船(株)で活躍された八木孝橘氏(故人)が北海道夕張市周辺で採集されたものです。故人のご遺志により本館に寄贈され、松本達郎九州大学名誉教授(故人)および利光誠一博士(産業技術総合研究所)によって鑑定されました。
 寄贈された標本は、異常巻きアンモナイトNipponites など150点以上にのぼり、八木氏によって丹念にクリーニング・管理されてきた貴重なものばかりです。特にPseudokossamaticeras yagii Matsumoto は、新種として完模式標本(Holotype; その種の代表・定義として国際的に参照される唯一の標本)に指定された非常に重要な標本です。

 Pseudokossamaticeras yagii の完模式標本 (白亜紀)

 これで,2階の展示室を一周しました。中央の螺旋階段を上がって3階の展示室に行きましょう。

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